【年103万以下でも関係あり!?】学生の間に確定申告を経験するメリット

大学院生向け

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方国立大の博士課程を修了し、現在は化学メーカーで研究開発をしています。みなさんは確定申告をしたことはありますでしょうか?「家族もいるし、して当然!」と言える方はさすがです。私にも教えていただきたいです。でももし、「確定申告って何?」や、「まだ学生だし、バイト代も103万以下に抑えているから関係無し!」と思っている方がいらっしゃったら、ちょっと待ってください。お金が少し戻ってくるかもしれませんし、私は確定申告をすることで得られるメリットがあると考えています。そこで、今回は学生の間に確定申告を経験するメリットを紹介しようと思います。内容は、

・(確定申告とは?)
・還付の(お金が返ってくる)可能性がある
・金融リテラシーが高くなる
・必要な情報に対して能動的になる

です。それでは1つずつ見ていきましょう!

(確定申告とは?)

 まず確定申告についてザックリと説明しておきます。知っている方は次の項目に行っちゃってください。突然の質問ですが、皆さんは日本国憲法で定められている国民の三大義務を言えますでしょうか?「子供に普通の教育を受けさせる義務」と「勤労の義務」、そして「納税の義務」です。これらの中で、確定申告は納税の義務に関係するものです。イメージを図1に示します。アルバイト等をしてお金を稼いだ場合、いくつものルールに従って決まる税金を国に納めなければなりません。この税金の額の計算には2通りの方法があります。1つは、必要な税金を会社に計算してもらい、年末に帳尻合わせをしてもらう「年末調整」。そして、もう1つが自分で計算を行い、自分で税金を納める確定申告です。

図1 確定申告のイメージ

  図1の中のルールを少しだけ説明しておきます。税金は稼いだお金全てに掛かるわけではなく、稼いだ人の家族構成や収入等によって「この金額分は税金の対象にはしませんよ」というボーナス金額を全収入から引いた額に対して掛かります。このボーナス金額のことを「〇〇控除(こうじょ)」と言います。学生の方がよく耳にする「年収103万円の壁」は、

基礎控除:  48万円
給与所得控除:55万円

を合わせた103万円のことです。つまり、1年間の給料が103万円以下なら、

収入 ≦ 控除額

となり、全額がボーナス金額の範囲内に収まることで、所得税を払わなくても良いことになるわけです。基本は抑えられたと思うので、本題である確定申告をするメリットを見ていきましょう!

【参考:国税庁】
No.1199 基礎控除
No.1410 給与所得控除

還付の(お金が返ってくる)可能性がある

 さて、前項で述べたとおり、年収103万円以下の学生は基本的に「年収 ≦ 控除額」となっているので、所得税を納める必要はありません。しかし、知らない間に所得税を納めてしまっていることがあります。それは会社が控除額を無視して予め毎月の給料から所得税を天引きしている場合です。この場合、「給与所得者の扶養控除等申告書」というアイテムを会社に提出していると年末調整の際に払った分を返して(これを「還付」と呼びます。)くれるのですが、大抵の会社はそんな2度手間はしないと思うので(笑)、自分で確定申告をして、還付を受ける必要があります。つまり、税務署に対して、

「控除額を考慮すると私は所得税が掛からないので、納めてしまった所得税を還付してください。」

とお願いするわけです。このように確定申告には払いすぎた税金を取り戻すことにも使えるんですね。
 では、自分の給料から所得税が天引きされているかどうかを確認するにはどうすればよいのか?年が明け以降に会社からもらえる源泉徴収票を見てみて下さい。その中に、

「源泉徴収税額」

という欄があるはずなので、そこの数字を確認しましょう。0以外の場合は予め税金を納めていたことになるので、確定申告をして還付の手続きをしましょう。
 「バイトで源泉徴収されていたことが無いから自分には関係ないやろ」という人は多いと思います。しかし、大学院生になると関係がある可能性が高いので、ここはしっかり読んで欲しいのですが、大学院で行うTA(ティーチング アシスタント)で大学からもらう給料は大抵所得税が引かれています。実際私もそうでしたし、ネット上でもそういった声が多く見られます。私は大学院生の時に確定申告をして、数千円が返ってきた記憶があります。引かれているとすればおそらく5%分なので、それほど大きい金額ではないはずですが、後述するメリットもあるので、やる価値はあると思います。

金融リテラシーが高くなる

 日本人の金融リテラシー(お金に対する知識や考え方)は世界的に見てかなり低水準にあることが大規模な調査から明らかになっています。みなさんはこちらの問題は解けるでしょうか?

「金融リテラシー調査 2019年」から抜粋。
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2019/pdf/19literacy.pdf

正解はもちろん(2)ですが、調査対象となった日本人の正答率は50%を下回っています。2人に1人は複利を考慮してお金を計算することは出来ません。でもこれは仕方のないことだと思います。日本は学校でお金の教育をさせてもらえないからです。実際、今まで生きてきた中で、私は確定申告を学校で教えてもらった経験はありません。私は源泉徴収票を見て、

「源泉徴収額があるな~。ちょっと調べてみようかな。」

と思ってググって勉強した結果、

「払わんでえーやん。確定申告してみよっ。」

となり、還付を受けました。
 この経験を皮切りに、私は自分でお金のことを少しずつ勉強していくようになりました。学振に通った際には納めるべき税金額を確定申告時に計算したり、如何に大学の授業料を免除してもらうか調べたり、クレジットカードは何を使うのがお得なのか調べたりすることで金融リテラシーが高まっていったのを感じています。
 ただ単にバイトをして、源泉徴収票をもらった日に捨てて、就職してからも会社の年末調整一択で思考停止していると、さまざまな控除を受けるチャンスを知らずにどんどんお金を失っていくことになりかねません。学生の間に確定申告を経験しておき、税金額を身近なものにしておくことがお勧めです。どれくらいオススメかと言うと、ドラクエ5でピエールを仲間にすることくらいオススメです。

必要な情報に対して能動的になる

 ここは、少し目線を上げた抽象的なメリットになります。今の社会のシステムは

「知らないだけで損をする」

ことが多すぎる気がします。ふるさと納税には必ずといって良いほど金銭的メリットがあるのに、利用率は数%ですし、私と同じ大学で還付を受けられたはずであろう大学院生が確定申告をしている姿がは見かけませんでした(研究室の後輩にはさせていました。笑)。税金は明らかに金銭的な損得が見えるところです。確定申告をすることで、自分に関係する情報に能動的になるはずです。私もこれから年金とか、配偶者控除とか、こども手当とかを真面目に勉強していかないといけないかなと感じています。その前にまずは恋人を作るとこからかな(笑)。
 最後に本を紹介します。税金や保険と言ったお金関係の勉強が一冊で出来る素晴らしい本です。私も内容を全部覚えることは出来ていませんが、損をしないために必要な知識が詰まっています。手元に置いておくだけで適宜活用することが出来ます。圧倒的なコスパです。

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 今回も最後までお読みいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?確定申告ってどうしても自分事じゃない気がしてしまうんですけど、それじゃ損してしまいますよね。私もこれから様々なライフイベントがあるはずなので、しっかりと勉強していこうと思います。質問がございましたら、ツイッター(@calfchallenge)でお気軽に絡んでください。暇してます(笑)。ではでは~。

プロフィール
calf

受験で挫折 → 地方国立大 → 首席 → 日本学術振興会特別研究員DC2 → 博士号取得 → 企業研究職│学会受賞6件│無機化学│危険物甲種│高圧ガス(甲種化学) │

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