仮定する癖を持つ

大学院生向け

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方国立大の博士課程を修了し、現在は化学メーカーで研究開発をしています。今回は、「結果を出すのに重要な本質って学生の頃から変わらないかも」という内容をお伝えします。仮定する力があるから、自分の頭を連続的に働かせることができている気がします。仕事や研究で悩んでいる方たちの参考になれば幸いです。内容を先に記すと、

・仮定する癖のメリット
・明日死ぬとしたら?
・目の前の人がAを欲しているとしたら?
・BがCの反応速度に関係しているとしたら?

です。それでは1つずつ見ていきましょう!

仮定する癖を持つメリット

 まずはここからですかね。仮定する癖を持つと、世界の見え方が変わります。それもプラスの方向に。一見するとイヤな目にあったとしても、「あれ、もしかすると・・・」とちょっと考えるだけで、一気にどーでもよくなったりするんです。また、何かに挑戦する際も、何となく進める場合と、仮定を持って進める場合とでは、得られるものが大きく異なります。その理由は、仮定の過程を見ると明らかになりそうです。

  仮定する
→ 行動する
→ 結果がでる
→ 自分の頭で考える

書き出してみると分かりますが、以前記した挑戦することのメリットとほぼ同じですね(笑)。結局、仮定が大事なのは、自分の頭で考えるきっかけになるからだと思います。研究するにしても、社会人として生きていくにも、自分の頭で考えられる人は本当に強いです。たとえ何かに失敗しても確実に成長しますし、周りに思慮深く見られるので評価も高くなります。就活~社会人1年目でやたらと ”主体性が大事” と言われるのも納得できる気がします。
 次のセクションからは、仮定の具体例をいくつか見てみましょう。

明日死ぬとしたら?

 いきなりドぎつい仮定ですみません(笑)。でも、これって意外と想像したことのある人は多くないと思うんです。私がこの仮定をハッキリとしてみたのは、博士後期課程の1年(D1)でした。国際学会に参加するために治安の悪さに定評のある南米の国に行く前に、「死ぬかも」と考え、遺書を書いてみました(笑)。すると、色々なことを考えることができました。「親に何を伝えよう?教授には?友人には?」そして、この時に最も深く考えられたのは自分の人生についてでした。「明日死ぬとして、満足できるのか?」という問いに対して、自分の答えは「No」でした。後悔ばかりしてきた人生でしたので、満足できないと思いました。それと同時に、「じゃあ、もっと毎日を真剣に生きないとな」という想いが沸き上がってきました。
 学会前という訳の分からないタイミングでしたが、自分が死ぬという仮定をしただけで、毎日を真剣に生きようかなと思えるのですから、メリットと言えるのではないでしょうか。あなたはどうでしょうか?自分が死ぬと仮定したことはありますか?
 最近、king of 自己啓発本と称される「7つの習慣」を読みましたが、なんとその中で「自分の死後を想像してみなさい」という節があり、驚きました。自分の考えに少し自信がつきました(笑)。

目の前の人がAを欲しているとしたら?

 次は人間関係に焦点を当ててみます。他部署の人に、その人しか出来ず、かつ自分の中で緊急性の高い仕事をお願いする際に、どうアプローチすれば良いでしょうか?自分の仕事の緊急性が高いことだけを述べても、その人からすれば、「関係ねーだろ」と思われたら後回しにされてしまいます。そこで、その人にとってのメリット(欲しいもの)やデメリット(欲しくない物)を仮定してみるんです。すると、勝手にアプローチ法が変わってきます。「これをしてくれると、〇〇の理由で、おたくの株が上がります!」という感じですかね。相手の求めているものが違っていたら…しょーがない。なぜその結果になったのかを考えて次に活かしましょう!(笑)ここが大事ですからね!

BがCの反応速度に関係しているとしたら?

 今度は研究の場面を例に挙げます。理系大学院を経験した方なら、きっと何かしらの実験をしていて、その実験には何かしらの目的があったはずです。実験の結果、その目的を果たすデータが得られなかったときはどうするでしょうか?「この実験はダメだったな…」というだけで終わってはいけません。「AがCの反応速度に効いている思ってたけど、Bも効いているとしたら、この結果になるかな…」のように、もっともっと深く仮定をしてデータを見ましょう。この仮定を経ることで、次の実験計画が自然と頭に浮かぶようになります。また、深い仮定に基づいて集めたデータは使いものになる確率が高いです。これも、最近読んだ本に書かれていたので、自信に繋がりました(笑)。私がやってきたことも、案外ハズレではなかったと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?仕事で研究をしていると、”仮定する力” の重要性を日々感じます。おそらく、研究職じゃなくても重要なんだと思います。どんな仕事にも通ずる “仮定する力” を身に着けていきましょう!ではでは~。

プロフィール
calf

受験で挫折 → 地方国立大 → 首席 → 日本学術振興会特別研究員DC2 → 博士号取得 → 企業研究職│学会受賞6件│無機化学│危険物甲種│高圧ガス(甲種化学) │

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