研究職のメリット

大学院生向け

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方国立大の博士課程を修了し、現在は大手化学メーカーで研究開発をしています。企業の研究者として半年を過ごし、「やはり研究職っていいな~」と感じることがありましたので、そう思えた「研究職のメリット」についてご紹介しようと思います。「研究職って結局どうなん?」と思っている学生の方の参考になれば幸いです。内容を挙げると、


・夜勤が無い
・有休を取りやすい
・フレックスで働ける
・ヤバい上司が少ない
・業務で意外と体を動かせる
・好きなことを仕事にできる
・大学で学んだことを活かせる
・仕事の方向性を自分で決められる

です。今回はまとまりごとに見ていきましょう!

夜勤が無い有休を取りやすいフレックスで働ける

 まずは勤務体系に関してです。基本的に夜勤はありません。「修士以上に夜勤なんかあるんか?」と疑問に思う方がいるかもしれません。実はメーカー勤務だと、修士以上でも研修の一環で夜勤を行うことがあります(製造研修)。研究所配属以外の私の同期たちも、時期・期間は異なれど大半の人が製造研修を経験しています。夜勤は生活リズムを整えるのが難しいと聞くので、出来れば私は避けたいところです。対して、研究所に配属された同期で夜勤を経験した人はまだいません。ただし、研究のフェーズが進み、ベンチスケールでの検討を行う際には、夜勤を行う時があると先輩から話を聞いたので、絶対にないわけではなさそうです。
 また、研究職の仕事内容はみなさんのイメージ通り(?)。実験をしたり、データをまとめたり、文献を調べたり、といったことです。故に、工場の稼働時間や他の社員の都合によって自分の勤務時間の制限を受けることが少ないので、有休を取りやすく、フレックス体制で働くことが多いです。私も朝早く7時台に出社して16時台に退社することもあれば、のんびり9時台に出社して18時台に退社することもあります。最高です(笑)。これに加え、お子さんのいらっしゃる先輩方は在宅勤務をうまく織り交ぜながら働いています。正直、我々の仕事って実験以外は家で行える業務ですからね(笑)。オンライン環境の導入がこの流れを後押ししているように感じます。

ヤバい上司が少ない

 これも超重要事項です。正直私は今の研究所に配属される前に「上司ガチャが外れたらどうしよう?」と思っていたのですが、配属されて周りを見渡すとそんな心配が必要なかったことが分かりました。世間でよく耳にする ”パワハラ上司” みたいな人が本当にいなかったからです。「採用に余裕のある大手だからじゃねーの?」と思う方もいるかもしれません。確かにおっしゃる通り、それも一因でしょうが、それ以上に研究所の構造がこのメリットを生んでいる要因だと考えています。
 どういうことかというと、研究所は働いている人のほとんどが修士・博士で、ある程度学歴のそろった人たちで構成されています。他にも派遣の方や、高専卒の方もいますが、割合は少なめです。このような環境ではみなさんが論理的に話を進めることに長けているので、理不尽なパワハラをする上司がいないのだと思います。そもそも、パワハラをする人って論理的な頭脳を持ち合わせていないですよね。デメリットが多いですもん。
 他方、製造の同期の中には、「直属の先輩が高卒たたき上げの方で、自分の実験内容をフィーリングで決めてくるが、その部署の上司が東大卒の理論武装している方なので、板挟みに遭い、報告会が地獄」という悩みを持っている人がいました。これ、ツラすぎませんか?パワハラではないかもしれませんが、正直やってられません。職場は話の通じる人であってほしいものです。

意外と業務で体を動かせる

 これは本当に意外かもしれません。日々の業務でよく歩くんです。今どきの研究所でPCの置いてあるオフィスと実験室が一緒のところはないと思うので、実験をするたびに席を立ち、移動することになります。さらに、別の建物に実験棟があったりもするので、それも歩行距離が延びる要因になっています。具体的に私がどれくらい歩いているかと言うと、一日の業務が終わる頃、私の身に着けているスマートバンドの歩数計が大体10000歩を記録しています。意外じゃないですか?(笑)。そーいえば研究所配属の同期はみんな体育会だったような気が…(笑)。そーゆーことなんでしょうか?研究に体力が必要であることは大学院時代に皆さんが経験されている事かと思いますので、これは承知の上で研究者を目指しているということにしておきましょう。

好きなことを仕事にできる大学で学んだことを活かせる仕事の方向性を自分で決められる

 最後は少し抽象的なメリットです。やはり博士まで進学した私は日々の実験が好きですし、そこから新たな知見を見出したり、次の手を考えていく過程も好きです。専門分野が大学時代のそれとは異なったとしても、そのプロセスを味わえる研究職に就けて幸せだなと感じています。また、大学で学んだ専門的な知識はもちろん、基礎的な化学の知識が日々の業務で活かせると、「大学で勉強しておいて良かったな」と感じます。世の中で大学時代に学んだことが活かせる仕事って意外と少ないんじゃないかなと思うんですよね。また、研究を進める上で上司と相談はもちろんするのですが、具体的な研究スケジュールや実験の方向性は自分で決めることが出来ます。言われたことだけをこなす仕事、とは一味違い自分の頭で考えて仕事ができるのは大きな幸せです。
 就活の面接時や配属当初「別に研究所配属じゃなくてもいいかな~」と思っていた私ですが、今は「研究を続けたいな~」と思うようになりました。今回述べたメリットがその想いを支えているのでしょう。もちろん研究所ならではの辛い部分もあるので、今後紹介できたらいいなと考えています。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。いかがでしたでしょうか?学生の頃は、「研究職が良い!」と漠然に考えていたことが多いのと思うのですが、いざ研究者として働いてみると、具体的なメリットが見えてきました。働き方に融通の利く職種だと思うので、強い想いのある方は、ぜひ目指してほしいです。お待ちしています!ではでは~。

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プロフィール
calf

受験で挫折 → 地方国立大 → 首席 → 日本学術振興会特別研究員DC2 → 博士号取得 → 企業研究職│学会受賞6件│無機化学│危険物甲種│高圧ガス(甲種化学) │

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