オンライン発表のポイント②:発表編

大学院生向け

カルフ 2020/11/28 20:51

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方 of 地方の国立大学の博士課程を修了し、化学メーカーで研究開発をしています。前回は、今機会の増えているオンライン発表のポイントをいくつか紹介しました。今回はその第2弾です。前回の記事をまだご覧になっていない方はこちらからどうぞ。今回の内容を先にまとめると、

・ゆっくり話す
・相手の発言が終わってから話す
・ポインタとアニメーションのラグを考慮して話す
・とにかく練習が大事

となります。前回は機材やスライド作成といった準備編でしたが、今回は実際の発表時のポイントですね。それでは1つずつ見ていきましょう。

ゆっくり話す

 これが大事です!「そんなことくらい分かっとるわ!」と言われてしまいそうですが、発表者全員がこれを実践できていれば、この場でわざわざ紹介なんてしません。もちろん、オンサイトでの発表でもゆっくり話すことは大事なポイントなんですが、オンラインでの発表時にはその重要性が段違いに高いのです。
 ここで押さえておきたい事実があります。それは、「オンライン時に聞こえる音声は連続的でなく断続的」ってことです。途切れ途切れで聞こえているんですよね。さらに、この途切れている時間がちょっとだけ長い瞬間がちょくちょくあります。よって早口で話していると、聴衆は途切れている部分を常に頭で補完しながら発表を聞かねばならず、大きなストレスを感じる上に、長めの途切れタイムがくると、その部分の単語や分がごっそり抜けてしまって内容を理解できなくなります。一方、ゆっくり話すと聴衆が頭の中で補完する情報量はほとんど無くなりますし、多少音声が途切れても単語1つくらいなら話についていくが出来ます。また、前回の記事で紹介した、「スライド中の文字は完全文にする」というのも、この音声の途切れに対応したポイントなわけです。ゆっくり話すだけで内容が伝わりやすくなるのであれば、ぜひとも実践したいですね。

相手の発言が終わってから話す

 これも「当たり前だろ」と言われそうですね。その通りです。当たり前だと思います。しかし意外とできていないんです(笑)。ここでも押さえておきたい事実があります。それは、「オンライン発表時は1人の音声が強調されて聴衆に聞こえる」ってことです。ということは、ある1人がまだ話しているのに別の誰かが話し始めると、音声の奪い合いが起きてしまい、聞いている側はどちらの発言も理解できなくなってしまいます。また、「発言が聴衆に届くまで少しラグがある」のも、押さえておきたい事実です。もちろん皆さん頭では理解されていると思うのですが、実践するのは案外難しいのです。
 これらを意識しないといけないのは主に質疑応答タイムですね。質問者が少しだけ長めに発言した際に、しびれを切らした発表者が食い気味に話してしまうアレです。一発で聴衆に悪い印象を与えてしまうんですよね。質問者の発言が終わるまで我慢強く待ってみましょう。(「ダラダラと質問しやがって」と思ってしまうのも分かりますが(笑))。また、司会の方に紹介された際や、友人と普通に雑談する際にも注意しておきたいところです。オンライン上では、話せるのは基本的に1人だけなのです。

ポインタとアニメーションのラグを考慮して話す

 オンライン発表を聞いたことのある人なら、このトピックで言いたいことは伝わると思います。発言が聴衆に届くまでラグがあるのと同じで、発表者の画面上で見えているポインタとアニメーションも、聴衆側に届くまで多少のラグ(0.5~数秒)が存在します。また、厄介なのは、「音声とポインタ・アニメーションのラグが同じタイミングにならない場合が多い」ということです。発表者がポインタとアニメーションを次々と高速で使って発表するとどうなるか?もちろん聴衆は置き去りにされます。聞こえている音声と見えている画面の動きがリンクしていないのですから当然ですね。
 では、どのような対策を取ればよいでしょうか?分かりやすい対策は、「ポインタとアニメーションを最小限に留める」です。いっそのこと、アニメーションは入れなくても良いかもしれませんね。でも動かない画面の中で話している部分を伝える必要があるので、ポインタは使った方が良いでしょう。ポインタの仕様を最小限に留めるというのは、動きを最小限にするということです。今までは書いてある文字を1文字ずつポインタでなぞって発表する人が多かったと思います。しかし、ラグがあるとダサくなってしまいます。ましてや、ポインタでぐるぐる図を回す人、あれはオンサイトでも印象が悪いのに、オンラインでやるともう最悪です。そこで、ポインタは文の先頭や下に置いて動かさずに読んでしまうのです。とりあえず、聴衆側に今読んでいるのがどの文や図についてなのかが伝わればそれでOKです。

とにかく練習が大事

 さて、ここまでくればほとんどの方が分かったと思いますが、とにかく練習が大事なんですよね。これも「当たり前」ですが、練習の重要性はこれまでの発表に比べて確実に増しています。理由は、「オンラインの発表では、これまでの人生経験を活かせないから」です。どんなに話が上手い人でも、違う舞台に立つとこれまでの能力を十分に発揮することは困難です。だから練習しましょう。周りが努力しないなら自分にはチャンスのはずです。

 今回も最後までお読みいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?今回の記事を記しながら、「私も気をつけねば…」と思うことが多かったです。近々、私にとっては大きなオンライン発表をする機会がありますので、抜かりなく準備をしていこうと思います。あなたと共に努力します!ではでは~。

プロフィール
calf

受験で挫折 → 地方国立大 → 首席 → 日本学術振興会特別研究員DC2 → 博士号取得 → 企業研究職│学会受賞6件│無機化学│危険物甲種│高圧ガス(甲種化学) │

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