(就活)研究職を目指す学生へ

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方 of 地方の国立大学博士課程を修了し、現在は化学メーカーで研究をしています。例年通り、11月から大手化学メーカーの博士枠の採用が始まりましたね。D2の方は早めに動き出しましょう(私は2月末から動き始め、博士枠の採用が終わっていたので、かなり焦りました(笑))。入社して半年以上が経ち、企業での研究にも少し慣れてきました。それに伴って就活をしていた頃に抱いていた企業研究者像と実際のそれとのギャップがくっきりとしてきたところです。そこで今回は、これから就活を始める研究職希望の学生の方向けに、知っておいて欲しいことを紹介しようと思います。

「なんとなく研究職に興味があるな~」
「研究職の仕事内容はイメージ通りかな?」

と思っている方の参考になれば幸いです。お伝えする内容は、

・”研究” にはフェーズがある
・この世はガチャで出来ている
・研究職以外の職種も知っておく
・確率を上げるために動く

となります。それでは1つずつ見ていきましょう!

”研究” にはフェーズがある

 まずは研究職の仕事内容についてイメージを持つと良いでしょう。「そんなイメージは既に持ってるよ!毎日実験してるんだから!」と思った方、さすがです。実験が好きだからこそ研究職に興味を持ちますもんね!私もそうですし、周りの同期を見てもそうです。しかし、そんな実験好きな方こそ知っておいて欲しいのが、本節で扱う “研究フェーズ" です。
 研究フェーズは大きく分けて3つあります。それは、

① テーマ探索
② 基礎研究
③ 事業化に向けたスケールアップ

です。
 企業が研究を行う理由はもちろん儲けるためです。お金にならないテーマにわざわざ利益の一部を研究費として充てることはしません。よって、研究の第一歩は①のテーマ探索となります。自社の技術で応用できそうな分野がどこか?、関連分野のキーとなる論文はどれか?、目を付けたマーケット市場に伸びしろはあるのか?、他社はどんな特許を持っているのか?等を徹底的に調べ上げます。お気付きでしょうか?そう、このフェーズではあまり実験は出来ません。実験しないからと言って専門知識の異なる文系の方にこの仕事を任せられるわけもありません。理系の持つ専門知識に加え、0次生産性を常に考え、クールに儲かるか否かを判断します。ここで儲かると判断できれば②の基礎研究に進みます。
 おそらく学生の方が抱いている研究職のイメージは②の基礎研究だと思います。ほぼイメージ通りっすよ(笑)。担当するテーマに関して、課題は何か?どうやってその課題をクリアするのか?そのヒントとなる論文は?実際に実験してみてどうだったのか?といったサイクルをひたすら回します。大学の研究室と異なる部分は、安全に関して無茶苦茶厳しい点や、意味わからん書類作成&スタンプラリーが無茶苦茶多い点ですかね?(笑)でも、大部分はホントにイメージ通りかな、と感じています。そして、ここでもしっかりと結果が出れば、事業化を目指し研究フェーズは③へと進みます。
 ③では事業化に向けてスケールアップを検討します。扱う単位がラボスケールの mg や g から kg, t に変わります。同期や先輩の話を聞いていると、単位が違うので驚きます(笑)。また、単純にスケールアップを行うだけでなく、安定操業が可能かを見極めるために長時間の連続運転を行ったり、適切なプロセス設計をしたり、精密なコスト計算を行ったりと、単純な実験に留まらずに色々な仕事が出てきます(夜勤もありますよ)。そして、投資する額も半端なく、事業化に向け明確なデッドラインが決まっているので、残業が多くなる傾向があります。海外赴任が多いのもこのフェーズだと思います。今後日本で新たなプラントが立つ可能性は低いですからね。
 いかがでしょうか?とにかく私が本節で伝えたいのは

必ずしも「研究職 = 実験」ではない

ということです。研究職にも色々あります。自分が希望するのが②だけなのか?それとも研究なら①~③全てを楽しめるか?を考えておくと良いでしょう。

この世はガチャで出来ている

 新卒一括採用を行っている日本企業で避けては通れないのが ”ガチャ” です。みんな存在自体は頭で理解しているはずなのですが、実際にガチャ失敗を経験すると、大ダメージを受けている印象です(笑)。具体的にガチャ要素を書き出してみると、

・希望する企業に採用されるか?
・希望する部署に配属されるか?
・希望する勤務地に配属されるか?
・(研究職)希望するテーマの担当になるか?
・上司は人格者か?

あたりですかね。ここで一言、「ガチャ要素多すぎるねん!笑」。企業に入ってから認識しましたが、多すぎます。同期と話していても「思っていたのと違う…」という言葉をよく耳にします。各々に希望する職種がある以上、この「違う」という認識は生じてしまうでしょう。しかし、第1希望の部署への配属が叶わなかった際に受けるダメージは本人の準備次第で変わる気がします。次節で考えてみます。

企業で働く上で考えられるガチャ要素

研究職以外の職種も知っておく

 研究職希望の学生の方に強くお勧めします。製造、設備管理、開発、品質保証、新規事業開拓といった仕事の現場を知っておくと、実際に自分が配属された際にどのように活躍できるかをイメージすることが出来ます。また、意外と自分に向いている仕事が見つかる可能性もあります。
 例えば自分は研究職希望だったけど、研究フェーズ①の配属となり、「実験できない研究職なんて…」と感じる人でも、日々の操業データから小さな異変を見つけ、先取りして不安要素を取り除くことで安定操業・利益創出に貢献する製造・設備管理の仕事が向いているかもしれません。また、②となったものの、業務以外に行う仕事が多すぎる(資格試験の勉強・論文調査・アングラの独自テーマ探索)と感じる人は、意外と業務時間内にきっかりと仕事が完結する品質保証等の仕事が向いているかもしれません。
 とにかく「知っておく」だけで自分に向いている仕事に出会う可能性が広がりますし、第1希望の職種以外に配属された際でも、自分が活躍するイメージを描きやすいと思います。

確率を上げるために動く

 この世がガチャが溢れていることや、他の職種の内容も理解した上で、研究職を希望する方、最高です!私は全力で応援します。大学や大学院まで進学した後に、自分の未来をただの運ゲーにするなんてもったいないですよね?ガチャとは言ったものの、それぞれの段階で自分の希望する未来を手繰り寄せる行動はきっと存在します
 例えば、クソ上司が嫌ならそこそこ大きい会社を希望しましょう。コンプライアンス遵守に厳しい時代なので、大きな企業ならヤバい人間性の上司は飛ばされている可能性が高いですし、事業が大きいので自分から異動願いも出しやすいです。また、研究職を第1希望にするなら博士号取得も視野に入れましょう。修士で研究職を目指すなら、もともと研究職の枠で採用を行っている企業を探したり、研究室でとにかく業績を出すという対策を練ることができます。そして、採用試験の対策は万全ですか?(笑)。意外とwebテストが出来ない学生は多いと思いますよ。特に中堅以下の国立大学生。私の周りで真面目にwebテスト対策をしていた人間は少なかったですよ。
 何かの結果が自身の望むものではなかった際に、納得できるか、大ダメージを受けるかは、事前に自身が最大限努力したか(確率を最大まで上げられたかどうか)で決まると思います。私は希望する会社で希望する研究職に就くことが出来ました。歴史ある企業ですが、出身大学からの採用は20数年ぶり、同職へは初です。受験で挫折してから随分と長い間努力してきました。残された人生で最も若いのは今です。努力はいいもんですよ。望む未来があるなら、実現させる確率を上げるための行動をしてみてはいかがでしょうか?

 最後までお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか?最近、何人かの上司と面談する機会があったので、自分の業務を振り返ることで、就活時代とのギャップを感じていたので記しておきました。少しでもあなたの道しるべになれば嬉しいです。これからも私らしく、努力を続けていこうと思います。一緒に頑張りましょう!ではでは~。