やる気のない人にやる気を出させるには?

大学院生向け

 お越しいただきありがとうございます。カルフです。地方国立大の博士課程を修了し、現在は化学メーカーで研究開発をしています。今回は、Twitterで呼びかけられたオンライン会談イベントに参加するにあたり、私が考えた”やる気”の実態について述べようと思います。

今回の内容を先にまとめると、

・前提
・私が見てきた後輩たち
・やる気 =動機 × 能力
・大抵の人は能力不足

となります。それでは今回も行ってみましょう!

前提

 やはり前提は大事です。そもそも、”やる気” のように目に見えない物を議論する場合は、ある程度でもいいので定義をおく必要があると思います。だって、私が見てきた人たちの中には、「僕、めっちゃやる気あります!」と豪語していても、私から見ると、「あなたの行いを見ていてやる気があるとは思えない…」という人がたくさんいたからです。これって、どちらも主観で話をしているから食い違うんですよね。だから、本記事における ”やる気” の指標をいくつか挙げておきます(研究室生活目線となります。ご了承ください)。

・提出物の納期を守る
・雑誌会で質問をする
・自分で次の実験を提案する
・週報をきっちりと作成する
・発表のスライドの質を高める
・研究内容に関して質問に来る
・ノルマ以外の論文を読んでいる

このような行動がとれる人を ”やる気がある” とみなします。よって、「挨拶ができる」や、「共有スペースを綺麗に使う」等は、本記事ではやる気があるとはみなしません(私は体育会系出身ですので、これらの重要性を訴えるタイプの人間ではありますが…)。
 また、今回紹介するやる気システムは、先輩(私)から見た後輩という形となるということです。社会人1年目ということもあり、まだ年上のやる気のない人との関わりが少ないため、研究室での経験を元に述べようと思っています。
 そして、もう一つ述べておきたい前提があります。それは、私のいた大学は地方国立大学ということです。偏差値は50を切ります。当イベントの参加者たちは非常にリテラシーが高い環境におられるなと感じました。「私の大学では当てはまらないかも…」と感じたので、大学のレベルもここで添えておきました。

私が見てきた後輩たち

 本イベントに参加するにあたって、私の研究室時代を振り返り、私が指導してきた後輩たちの名前を全員PC上に書き出してみました(笑)。「やる気あります!」、「研究がしたくて!」、「研究者になりたくて!」と言う後輩たちを何人も見てきました。しかし、週報の内容はボロボロ、雑誌会の訳はめちゃくちゃ、スライドも意味不明…。私から見ると、「本当にやる気あるの?」と思える場面が多かったです。上に示した指標を元にすると ”やる気” が無いと判断されてしまうわけですね。また、「スライド作りのモチベーションが上がりません…」と言う後輩の中には、こちらが研究内容に関して質問をすると、しっかりと受け答えのできる人もいました。この場合は、「惜しい!もう少しでやる気MAXになりそうなのに!」という評価になります。
 このように、今まで指導してきた後輩たちを振り返ってみて、私なりに ”やる気” の正体のようなものに迫れた気がしたので、次の節で式に落とし込もうと思います。

やる気 = 動機 × 能力

 これが私の唱える “やる気” の正体です。口先だけ「やる気あります!」と言う後輩たちに違和感を覚えたのは、”能力” が伴っていなかったからです。「やる気あります」宣言ができること自体は、私は大好きです。今の時代にちゃんと動機を持ってるなんて素敵じゃないですか?でも能力が無ければ、きちんとした週報も発表もできません。結果的に、指標に併せればやる気がない認定されてしまいます。また、能力があるのに、「モチベーションが…」という後輩も、動機付けさえされれば、やる気MAXになれる存在なんです。
 上の式を頭に入れて、私が大学院生に戻れてたらどんな指導をするか考えてみました。能力が足りない学生に「就活で役立つかもよ?」と動機付けしようとしてもやる気には繋がらないはずです。この場合は能力に焦点を絞って指導をします。1つの週報をきちんと完成させるまで根気強く教えたり、スライドの1枚を一緒に作成してみたり、と能力を伸ばし、目に見える “やる気” の結晶を生成することが大事かなと。そして、”動機” の甘い後輩たちには、綺麗なスライドを一緒に作成したあと、「あのスライドが出た時、周りの顔が違っていた。就活で活きるかもよ?」と囁くと良いかもしれません。
 過去を振り返ると本当に後悔だらけです。後輩の指導に関しては、私は何もできませんでした。社会人になり、たくさん読書をして、価値観が広がった今だから言える指導法かもしれません。だからこそ、これから後輩を持つ大学生や、今まさに後輩を指導中の大学院生には、指導についても悔いなく過ごして欲しいと思います。私もこれから社会人としてたくさんの後輩と接していく中で、少しでも多くの “やる気” を生み出したいです。

大抵の人は能力不足

 これは私の大学で感じたことです。「やる気が出ない…」という後輩たちを見ていると、確かにつまらなさそうです。同じデータを見ても、私と後輩では気付くことの数が違いすぎます。知識や経験といった能力が足りていないからです。シンプルにもっと勉強しなくてはいけません。足元しか見えていないなら、そりゃつまらないでしょう。能力を上げ、視野を拡げると、自ずと “やる気” は出てくるはずです。私は研究が好きです。たくさんのことに気付けるから。努力したから。能力が上がれば、動機も上がり、相乗的にやる気が生み出されるはずです。

 今回も最後までお読みいただきありがとうございます。ノブさんのツイートを見て、勇気を出してポチって正解でした。本当に素敵な人たちと関わることが出来ましたし、私なりに思考の整理も進みました。これからも、アカウント名通り、色々なことに “挑戦” しようと思います。何事も実験です、実験!ではでは~。

プロフィール
calf

受験で挫折 → 地方国立大 → 首席 → 日本学術振興会特別研究員DC2 → 博士号取得 → 企業研究職│学会受賞6件│無機化学│危険物甲種│高圧ガス(甲種化学) │

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