お越しいただきありがとうございます。カルフです。今回は大学院(修士)時代のお金事情を振り返ってみようと思います。学部生時代に関しては前回の記事にまとめているので、興味のある方は是非ご一読ください。今回の記事が参考になるのは、
・大学院進学を考えている学部生
・大学院生活にかかるお金が心配な方
・カルフの大学院時代が気になる方(前回の続きですかね笑)
あたりだと思います。そして、今回の記事の内容を先に記すと
・私が置かれていた環境(学部時代と変化あり)
・コストは学部時代と変わらず月14万円くらい
・お金のやりくり(学部時代と変化あり)
・大学院は社会人のつもりで臨みたい
です。それでは1つずつ見ていきましょう!
私が置かれていた環境(学部時代と変化あり)
やはり、最初はここが重要でしょう。学部生時代は私の恵まれた環境が目立ってしまった気がします。そして、大学院生時代も変化はあるものの、恵まれた環境が継続していたように思います。前回の記事を読んでくださった方はスルーでOKだと思います。大雑把に書き出すと、
・学部から内部進学したド田舎の国立大学院
・地方で1人暮らし
・両親は一応共働き(世帯年収1000万円程)
・私は3人兄弟の末っ子
・入学時に兄2人は既に就職して家を出ていた
となります。進学したのは学部時代と同じ大学・研究室です。あまり深くは考えずに内部進学しましたね。そして、学部時代と同じ部屋で1人暮らしをしていました。通学は自転車で5分程度(近い!地方大学の強みの1つ)。次に家庭環境です。私が大学院に進学するタイミングで父親が退職→1年お休み→再雇用という流れになったので、学部生時代に比べると世帯収入が少し減りました。ただ、3人兄弟の兄2人は既に独立し、家庭を持っていたので両親は気楽だったと思います。以上のように私の環境は非常に恵まれていました。それでは本題に入りましょう!
コストは学部時代と変わらず月14万円くらい
あ~なんてこった。きちんとまとめたのに学部時代とコストが変わらないなんて(笑)。いや、これは思いがけない発見と前向きに捉えましょう。
結果には2つの可能性がある。もし結果が仮説を裏付けたなら、あなたは何かを計測したことになる。 もし結果が仮説の反対であったなら、あなたは何かを発見したことになる。(エンリコ フェルミ)
さぁ趣旨がこれ以上変わらないうちに本題について議論しましょう。図1 (a)に大学院修士課程時代にかかった1月当たりのコストとその内訳を示します。学部時代の値の詳細は前回の記事をご覧ください。
図1 カルフの (a) 大学院修士課程、(b) 学部生時代における生活費の月平均とその内訳
【備考】
学費: 年間学費の54万円 ÷ 12ヵ月
家賃: 通学は自転車で5分、徒歩15分、1K、8.6畳、
風呂トイレ別、独立洗面台付き、共益費込み
食費: 1500円/日 × 30日(さすがに記録できていません…)
光熱費: 電気・ガス・水道代の合計、
図S1に示す2年間のデータから月平均を算出
通信費: 携帯代 + ネット回線費、
図S1に示す2年間のデータから月平均を算出
図1から、学部と大学院にかかるコストに大きな変化が無いことが分かります。冷静に考えれば当然です。学部時代のコストの90%を占めていた学費・家賃・食費が変わっていないので、大きく変わるはずがありません。光熱費が安くなっている理由は簡単です。大学院生は基本家にいないからです(笑)。四六時中実験をしていますからね。家はただの寝床と化します。通信費が上がっているのは、私がポケットWiFiを持ち、iPod touchでLINEに手を出したからです(LINEデビュー遅ぇ!笑)。以上より、大学院時代にかかるコストは大きく変わらないことが分かりました。「じゃあわざわざ記事にするなよ」という声が聞こえてきそうですが、そこはご容赦ください。ただ、大学院に入る前から大学院を修了するまでにかかるコストを真面目に計算したことのある学生が何人いるでしょうか?このコストの大きさを視覚化することに一定の意義はあると思っています。
さて、この1月当たりのコストを元に2年間でかかるお金を計算すると、345万円となります。安くはない金額ですよね。次のセクションでは、お金のやりくりの話をします。親に全て出してもらっていた学部時代とどう変わったのでしょうか?
お金のやりくり(学部時代と変化あり)
必要なお金が分かった次は、そのお金をどう調達するかが重要です。学部時代の収入は月3万円のバイト代しかなかった私ですが、大学院では一味違います。収入が一気に増えました。なぜかというと…
奨学金を借りたから
です。その額、月88000円。日本学生支援機構第一種奨学金(無利子)の最大額です。そして、修士の2年間は学部時代から続けていた塾講師に加え、大学の講義を手伝うTA(Teaching Assistant)のバイト代も加算されます。これら2つのバイト代を合わせた2年間の月平均額は…
31000円
でした(図S2を元に算出しました)。変わってねぇ!1000円しか上がっていませんでした。この理由は簡単です。大学院は実験で忙しく、バイトを入れる暇があまりなかったからです。ただ、この点は研究室のせいにはしたくありません。B4での研究態度を反省し、自ら平日のバイトをほとんど無くしました。その分をTAで補填した感じですね。
さて、奨学金とバイト代を合わせた収入は12万円弱となりました。これだけあれば、家賃と食費を削れば親の援助が無くとも1人で暮らせそうですね。これは地方大の強みが現れていると思います。ここで、「無利子とはいえ、奨学金を月88000円(計211万円)も借りたら、返済がキツイ…」とお考えの方がいらっしゃると思います。ただ、日本学生支援機構の奨学金には、優れた業績による返還免除既定があります。さらに、あまり知られていませんが、この免除既定の中には、「博士課程進学者が優先的に返還免除となる」旨が書かれています。よって、真面目にそこそこの業績を出していれば211万円の返還免除をゲットできる可能性が高いのです。よって、私も修士時代に借りていた計211万円に関しては全額免除となりました。このルール適用には都会も地方も関係ありません。ただ、圧倒的多数を占める修士卒で返還スタート組にとっては、単純な業績勝負となるので、関係大ありです。おそらく学年で1,2人が全額免除、2, 3人が半額免除となるので、倍率は結構高いと思います。ここは地方大の方が有利だと考えられます。必死に研究をして業績を出しておきたいところです。
大学院は社会人のつもりで臨みたい
さて、ここまでリアルなお金事情を記してきました。私自身、あっという間に終わった修士時代にこんなにお金がかかっていたんだなと認識が出来て良かったです。そのうえで、改めて「大学院に進学するなら社会人のつもりで臨みたい」と思いました。私は周りの同期よりもこの思いが強かったので、能動的に修士時代を過ごすことが出来ました。学部で卒業した同期たちは一足早く社会に出て働いているのですから。この思いがある人間は行動が変わりますし、その行動を周りの人はきっと見てくれています。奨学金の全額免除が決まった際、親に出してもらっていた修士時代にかかったお金を返すことを打診すると、
「あんたが研究を頑張ってたのは伝わってきたから、修士の間にかかったお金は返さなくていい。博士課程に必要な資金に充てなさい。」
と言われました。その場で泣きそうになるほど嬉しかったです。お金が浮いた事もそうですが、研究を頑張ったことを認めてくれる人がいたことが嬉しかったです。博士課程でも一層頑張ろうと決意できた瞬間でした。これから修士に進もうとされる方は、社会人になることを選んだ同期や、お金を工面してくれる人のことを考えて研究をしてほしいものです。
【参考資料】
図S1 修士時代にカルフ(の親)が払った光熱費と通信費の変遷
図S2 修士時代におけるカルフの収入の変遷
(修士1年の9-11月に留学していたため、10-12月のバイト代は0円です…)
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?読み返してみるとハイライトは奨学金の免除に関する話だったような…笑。ここだけで1本記事が書けそうですよね。ご要望がございましたらお気軽にコメントをください。次回はついに博士の懐事情に切り込んでいこうかなと思います。かなりリアルで重たい内容になりそうです。ポップに行こう!笑。ではでは~。
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